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エドゥアール・フィリップ首相の潔さ!フランス西部「Notre-Dame-des-Landes」空港プロジェクト放棄

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2018年1月17日(水) エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相の声を通じて、政府はフランス西部ロワール・アトランティック県 (Loire Atlantique) に位置するノートル・ダム・デ・ランド(Notre-Dame-des-Landes)に空港を建設するプロジェクトを放棄すると発表しました。

これに対し、ノートルダム・デ・ランデス空港プロジェクトに有利な地域社会を代表する組合の議長(Philippe Grosvalet)は、「この決定により、エマニュエル・マクロン大統領は、正義の手続きや決定を踏みとどまり、地方当局を踏みにじらせ、住民の投票を踏みにじる。」と述べています。

 

「ノートル・ダム・デ・ランド(Notre-Dame-des-Landes)」の長い冬

ノートルダム・デ・ランデス空港建設に関する紛争が始まったのは1960年代。この問題はずいぶん長い間放置されていましたが、2000年10月にリオネル・ジョスパン(Lionel Jospin)首相が空港建設計画を再開しています。その後、2009年に反資本主義活動家が遅延開発区「ZAD」を占領し始め現在に至ります。

2016年には投票者の55%が、ノートルダム・デ・ランデスから南約20kmに位置するナント・アトランティック(Nantes-Atlantique)空港再開発を提案することなく、ノートル・ダム・デ・ランドに新しい空港を建設することに賛成票を投じました。

新しい空港の建設は、ナント・アトランティク空港の渋滞のために多くの地方当局によって支援され、地域の経済および観光発展を促進する目的でした。 

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ナント・アトランティック空港の再開発の選択肢

エマニュエル・マクロン大統領は、昨年夏、ナント・アトランティック空港からノートルダム・デ・ランデスへの空港プロジェクト移行の実現可能性を評価する報告書を3名の専門家に委託しました。

12月に発表されたこのレポートは、現在のナント・アトランティック空港の移転または再開発の長所と短所を検討したものでした。後にこのレポートはノートルダム・デ・ランデス空港プロジェクト放棄の決断へと導く要因になっています。

ノートルダム・デ・ランデスはナント・アトランティック空港から北に約20kmに位置する。

 

エドゥアール・フィリップ首相の決断

エドゥアール・フィリップ首相は、今年1月初旬、西側から選出された100人以上の職員を集め、ノートルダム・デ・ランデスの市役所で討議。結果、エドゥアール・フィリップ首相は空港建設計画を放棄することを決断しています。

ノートルダム・デ・ランデス空港のプロジェクトを実行するための条件が満たされていないことが今日わかった。このプロジェクトは放棄される。」

「50年間もの間、決定、退去、および非決定と国家は不可能なジレンマに直面している。連続する政府の決断は、プロジェクトの支持者とその反対者がお互いに衝突することを残した。」

「状況は人々の安全と法の支配に反し、完全に危険にさらされていた。」

「空港プロジェクトの土地は国家によって保護されないこと。現在のナント・アトランティク空港は近代化されるだろう。」

と述べています。 

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男前!モデルさながら?! エドゥアール・フィリップ首相

 

(遅延開発区)ZADの撤去

この問題が解決するのに数か月はかかるだろうと言われています。以下はZAD撤退に関する計画。

・この地域(空港建設計画)に10年以上に渡りZADに占拠されていた無法地帯を終わらせる。

・今日の時点で、私たちがすべての公開選択肢を残すために、12月末に国務院に提出した公益性宣言の延長申請は取り消される。公益事業宣言は 2月8日に失効する。 

・この地域を横切る3つの道路は全ての人のために自由に通過できるように戻されなければならず、不法に占拠されている場所を撤退し、障害物は取り除かれ、交通が回復する。 これらのために必要な作業を始める。

・これらの土地の違法居住者は、来年春までに退去しなければならない、あるいは追放されなければならない。 

フランス人の凄いところは、頑として譲らないところでしょうか。そこに正当な理由があればあきらめません。そんな彼らの人間臭い面を垣間見るたび、フランスも捨てたもんじゃないな、なんて思ってしまいます。

 

エドゥアール・フィリップ首相に賛成!喜んだ政治家 

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左翼党(Parti de Gauche, PG)のJean-Luc MELENCHON(ジャン=リュック・メランション)*中央

この方、ずっとノートル・ダム・デ・ランドの空港プロジェクトには反対で、プロジェクトが放棄されると分かった瞬間、手をたたいて大喜びしていた様子がTVで映し出されていました。政界のジーザス(イエスキリスト)、革命やったるで!

  

まとめ 

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約50年ほどに渡る紛争にやっと決着をつけたエドゥアール・フィリップ首相。素晴らしい!誰一人とこの問題を解決できなかったのは、住民の気持ちや安全性、環境破壊などを考えず、便利さや利益を追求したエゴがあったからだと思います。フィリップ首相は現実を見つめ、シンプルにできるかできないかの決断を下したのだと思います。そこにはエゴやしがらみと言ったものは一切なかったことでしょう。(でなければ決断できません)

考えてみても20kmほどしか離れてない場所に新しい飛行場を作ろうなんてアホとしか思えない。そりゃ~働く場が増えたり、少しは町が潤うかもしれませんが、そこには自然破壊、環境汚染、住人の健康などのリスクを伴います。長い目で見たら、フィリップ首相の下した決断は間違ってなかったと思います。

何でもそうですが、進んでいい時はスムーズに物事が運びます。でも、そうじゃない時はいろんな障害にぶち当たる。だから無理強いしないことです。無理強いすると後であ~しまった!と思うことが多いもの。50年もの間、決着がつかなかったのはそっちに進んじゃだめだ、って事だったんでしょう。

 

ちょっと一言

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さて、2018年初めの世論調査の結果では、エマニュエル・マクロン大統領53%、エドゥアール・フィリップ首相59%と2人ともなかなかの支持率です。フィリップ首相は東京からパリまでの航空運賃が問題になったにもかかわらず、マクロン大統領より支持率が高い。

そもそも航空運賃の一件は、フィリップ首相の粗さがしのようなもの。翌日大事な会議を控えていた彼は、利用した便に乗るしかなかったのです。金額が叩かれていましたが、ビジネスクラスを普通に購入したら当たり前。もし、国の専用機を使ったら1人あたりに対する燃料費はもっと高くついたはず。メディア、揚げ足を取るんじゃねぇ!

 

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