マーガレットと素敵な季節 Marguerite et belle saison 

フランスでの日々、大好きな映画など

生き残りの叙事詩・ウエスタンスリラー映画「Brimstone(ブリムストーン)」

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イタリアから戻ってきて、(イタリア熱が抜けず)すっかりホームシック状態の私です。パリの天気はどんより、出かける気がしない日はビデオ鑑賞!ってことで、先日観たウエスタンスリラー映画「Brimstone(ブリムストーン)」をご紹介したいと思います。

「Brimstone(ブリムストーン)」

 評価:★★★★(/5点満点)

 オランダ・フランス・ドイツ、スゥエーデン・イギリス合作(2016年)

 監督:Martin Koolhoven(マルティン・コールホーヴェン)

 脚本:Martin Koolhoven(マルティン・コールホーヴェン)

 *日本未公開

 

この映画は、「The Night of the Hunter(狩人の夜・1955年)」のリメイク作品。4部構成で出来ていて、現在(Revelation・啓示)→ 過去(Exodus・出国)→ 過去(Genesis・創世記)→ 現在(Retribution・報復)へと戻る形でラストを迎えます。放映時間は2時間28分、なのに4章のドラマを観ているようで長さを感じさせません(=面白い)。ちなみに「Brimstone」とは、聖書では地獄を意味します。

第73回ヴェネツィア国際映画祭(2016年)に出品され、歓声を浴びたものの、プレスの間では大きな論争を巻き起こしました。その後、トロント国際映画祭で特別プレゼンテーションとして北米初の上映を行い、こちらでは良い評価が得られています。

 

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あらすじ

舞台は19世紀末のアメリカ西部。20代の口のきけないリズ(ダコタ・ファニング)は助産師として夫と2人の子供と共に幸せに暮らしていた。ある日、リズが取り上げようとした赤ん坊が亡くなり、村の人々はリズに冷たい視線を送るようになる。そんな中、悪徳牧師(ガイ・ピアーズ)がやって来る。彼は次第にリズの家族を脅かすようになる......。

狂気的な残虐行為に対する抵抗、それに対する強い女性を描いた物語。本作は、アメリカン・サザン・ゴシックのジャンルからインスピレーションを得た作品で、オランダの宗教文化を底辺に描かれています。 

 

出演者

リズ役:ダコタ・ファニング(Dakota Fanning)23歳

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彼女を初めて見たのは映画「I Am Sam(アイ・アム・サム)2001年」。子役だけど演技が上手いなぁ~なんて思ってたら昨今は「The Benefactor(リチャード・ギア / 人生の特効薬)」や「American Pastoral(アメリカン・バーニング)」など、色んな映画に出てるじゃない。本作では口がきけないシーンが大半を占めるているけど、彼女の表情で見せる演技が素晴らしい。緊迫感がうまく表現出来ていて、呼吸までが伝わって来そうな感じ。ラスト間際のシーンはハラハラ。思わず「ブロンド何やってんだ!」と叫んでしまった。

 

牧師役:ガイ・ピアーズ(Guy Pearce)49歳

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イギリス生まれのオーストラリアの俳優。見た顔だなと思っていたら、1997年の映画「L.A. Confidential(L.A.コンフィデンシャル」に出演。これ結構面白かったんだけど、それ以降、どの映画に出ていたか覚えていない。本作では、狂気な牧師役を演じ切ってしまうところが演技派。蛇みたいに執拗にリズを追う様は、こんにゃろ~と憎らしくて仕方ない(感情移入がはなはだしい私)。実生活では、Annna役のカリス・ファン・ハウテン(Carice van Houten)と交際していて、2016年8月に第一子男児が誕生している。 

 

Samuel役:キット・ハリントン(Kit Harington)30歳

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ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」のジョン・スノウ役で知られるキット・ハリントン。イギリスの俳優で、由緒正しい準伯爵の家系に生まれる。ジョン・スノウのイメージが焼き付いてしまっている彼だけど、映画「ポンペイ(Pompeii)」では彼の演技ははまっていたし、「Testament of Youth」ではまた違った一面を見ることができる。今後に期待したい俳優。本作では、流れ者の青年を演じていてあっけらかんと画面から消えてしまった。

 

リズの母親役Anna:カリス・ファン・ハウテン(Carice van Houten)40歳

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ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」のメリサンドル役でおなじみ、ミステリアスな雰囲気の彼女はオランダの女優。オランダ国内では高い評価を得ており、オランダ映画祭の金の子牛賞を幾度か受賞している。とても美しい美貌、出演作「ブラックブッグ(Zwartboek)」では髪を金髪に染めていたため、「ゲームオブスローンズ」の彼女と同一人物とは思いもしなかった。この方、髪の色で雰囲気がガラッと変わります。

 

まとめ

とにかくシナリオがうまく出来ていて、章が進むごとに話がつながっていき、じわじわと迫って来る緊迫感がたまらなく面白い。4章に分けたのは上手く計算された感が。ラストは冒頭のシーンとつながるようになっています。 

映像さながらずっしりと暗いテーマですが、ベネチア国際映画祭に出展されただけあり奥深い作品です。日本公開未定のようですが、是非とも公開していただきたい!

 

フランス語版の予告編です。*音が大きく出ますので、お気を付けください。