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ル・ペンとマクロンの毒舌討議~2017年フランス大統領選

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5月7日(日)に行われるフランス大統領選第二ラウンドを目前に、5月3日(水)の夜、フランスのテレビ局「TF1」と「FRANCE2」で放送されたマリーヌ・ル・ペンとエマニュエル・マクロンの大討議(le grand débat entre Emmanuel Macron et Marine Le Pen)。

 

いやはや、2人とも名俳優、すっかり見入ってしまいました。毒舌で火花を散らせるも、コメディさながら。約2時間半に渡った討議では、経済、失業、テロ、セキュリティ、欧州、健康、教育.....について各々の意見が交わされました。結果、視聴者の63%がマクロンが説得力があると評価。2日後に迫った大統領選を前に、討議での2人の会話を少し連ねてみました。

税金

マクロン:「健康保険と失業に対する社会的費用を削減します。もしくは、CSG(税金)から資金調達します(→税金の値上げ)。」

ル・ペン:「魔法の財政はありません!」(と喝を入れる)

     「私のビジョンでは、国民は売り買いではありませんよ。」(=元銀行員のマクロンが経済にばかり焦点を当て、国民の生活をレスペクトしていない!と言う意味)

 

保険と年金

マクロン:(ル・ペンが望んでいる輸入税について)「薬の80%が海外で生産されている!輸入税を課したら実生活は回らなくなります。」

ル・ペン:(フランス人ができないと決めつけていることに驚きを表し)「フランスにおける医薬品の生産を本国で取り戻します。」

ル・ペン:「現行62歳の定年を60歳にすぐに切り替えます。」

マクロン:「定年を60歳に引き下げた場合、300億の費用がかかります。年金保険料の値上げまたは低年金になるだけです。」 

テロリスト

ル・ペン:「あなたの計画にはテロ対策は全く存在しません。あなたはテロリストを排除したくないんでしょ。」.....「国境を閉鎖する必要があります。テロリストをブラックリストに載せ、国籍を剝奪しなければならない!」(←まるでトランプ)

マクロン:「あなたは国籍剥奪の恐怖のためにテロリストが自爆してると思いますか?」

ル・ペン:「私は待ちませんよ。フランスには11,000人のテロリストがいます。」

マクロン:「テロ対策は今後数年間の優先事項です。警察の強化、そして攻撃される前に介入する。」

「鍵はテロリストを特定するために情報を改善することです。私は諜報部隊を再構成し、サイバーインテリジェンスとの強い結合を要求します。国境を閉じるのは無駄な事です。あなたの計画は在りえません!」

 

教育

マクロン:「フランス語、ラテン語第二外国語、個別指導の時間を取り戻す必要があります。」「優先は1クラスの生徒の数を減らし、少人数制にすること。そのために12,000人の教師を導入します。」

ル・ペン:「学校は社会主義者に略奪されました。教育者の権威を戻さなければなりません。職業訓練校の開発と促進を促す必要があります。」「大学でも世俗主義(laïcité)が適用されるべきです。私は大学でのビジャブ(ベール)の着用に反対です!」(←どうしてもここに集中してしまう=移民を排除したい)

 

欧州

ル・ペン:「我々はフランス独自の貿易政策を望んでいます。フランスの市場に流れてきている物資はフランスのそれと同基準に達してないことをご存知ですか?」

マクロン:「ユーロは重要です。」

ル・ペン:「ユーロでは支払いませんよ。従って二つの通貨になります。」「ユーロは銀行の通貨であって、人々の通貨ではありません。」

マクロン:「大企業は従業員の給与をユーロではなく、フランで支払うのですか?バカげている。」

 

最後に一言

ル・ペンは討議の中での発言がすべてだとしました。

マクロン:自信の計画を簡潔に述べた後、ル・ペンに対し「あなたは対戦相手を汚しています。あなたの計画は恐怖と嘘で塗り固められたものです。」「あなたは寄生虫です、とても上品な。」

ル・ペン:(にっこり笑って)「ムッシュー、オーランドと一緒にね!」(←オーランド政権で務めたマクロンに対する皮肉)

 

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毒舌を吐きながら始終上げ足を取るル・ペン。そんなル・ペンに苛立ちを隠せないマクロンに対し、「落ち着いて。邪魔しないで私の意見を言わせて?」と笑顔で冷静を装うル・ペン。笑える。

 

元弁護士だったル・ペンの話しぶりはまるで裁判官のよう。方や、マクロンの顔や動作、発言が前フランス大統領二コラ・サルコジと重なって仕方ない。そんなマクロン、アルジェリアとフランスの間に道路を作る計画発言。そんなことしたら、アルジェリアからの一方通行になるじゃない!

 

まとめ

ル・ペンの言ってることも分からない訳ではないけど、ビジョンがはっきり見えない。その上かなり過激。一方、昨年までフランソワ・オーランド政権で経済大臣として活躍していたマクロンは、中道の「アン・マルシェ!(En Marche!)」を設立し、大統領選に初立候補したけど、オーランド政権とさして変わらない様な気がしてならない。実際、彼にくっついて来た人はオーランド政権にいたメンバーもいる訳だし。 

どちらにも投票したくないという有権者も多く、無投票(vote branc)の人や、ル・ペン(極右)には絶対に当選してほしくないから、仕方なくマクロンに、と言う有権者も多いとか。おそらくマクロンが当選すると思うけど、若い彼がフランスを変えていけるのか、多くのフランス人が期待とは違う思いを持っているのではないかしら。

 

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