読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

マーガレットと素敵な季節 Marguerite et belle saison 

フランスでの日々、大好きな映画など

フランスにおけるライシテ(世俗主義・laïcité)から差別について思うこと。

f:id:bluejusmine:20170324023252j:plain

昨年10月からフランス語のアトリエに通い始め、週4回の授業を受講しています。授業は、ベネボル(bénévole)と呼ばれるボランティアの方々が受け持ち、各回ごとに先生が変わります。皆さん60歳をゆうに超えたはつらつとしたフランス女性たち。そんな彼女たちから学ぶことが多いのがこのアトリエに通う楽しみでもあります。

 

ライシテ(laïcité・世俗主義

3月18日~26日まで「人種差別と反ユダヤ主義に対する教育ウィーク(La Semaine d'éducation contre le racisme et l'antisémitisme)」と称し、フランス各地でイベントが行われます。アトリエでも ライシテ(laïcité・世俗主義)について談論しました。ライシテとは以下の通り。 

1. 国の政策が宗教に支配されないこと

2. 個人の宗教規則からの自由

3. 人の行動が宗教の影響を受けないこと

  

例えば、フランスの学校(公立)内では頭に被り物(ビジャブ等)をしてはいけない、宗教のシンボルと思われるアクセサリーは見えないように身につけなければならない、くるぶしまでの長いスカートを履いてきてはいけない.....といった規制があります。

 

学校だけではなく、店の定員はビジャブを被って仕事をしてはいけない、公共の場ではブルカ(写真↓)と呼ばれる頭から足元まで隠れている服装をしてはならない、宗教的差別発言をしてはならない......etc.といった事が法律で定められています。

 

フランスのライシテは移民が多い事もあって、こうした規制が法律で定められているのですが、近年のテロの影響もあってか、テロリストとイスラム教徒を簡単に結び付けてしまう人もいます。でもそんな単純なことではなく、問題は違うところにあるというこに目を向ける必要があると思います。

 

f:id:bluejusmine:20170324031104j:plain

D.L.マンビーが説いた世俗社会↓ ウィキペディアから引用)

これを読んでいたら世俗主義が、ジーザスの教えにとても近いことに驚きました。

世俗社会は宇宙の性質と人間の役割についていかなるものであれ唯一の視点があるという立場を拒否する。

それは均質的ではなく多元的である。

それは寛容である。

それは個人の意思決定の範囲を拡張する。

あらゆる社会はいくつかの目的を共有するものだが、そのために問題解決の手法とルールの枠組みが構成員の間で共有され、同意されていなければならないことを意味する。世俗社会では可能な限りそれが最小限に抑制される。

現象の調査を通して、問題解決は理性的に図られる。

世俗社会はいかなる全体[主義]的な目標も設定しない一方で、それは構成員個人の目標を理解する助けとなる。

それはいかなる公的な偶像も持たない社会である。どんなことにでも応用できるような[社会から]是認された一般的な行為はない。

そして世俗社会の背後にあるポジティブな理念は

個人と小グループへの深い尊敬

全ての人々の平等。各人は各人の長所を理解し合うために助けあわなければならない。

身分制度や階級制度の破壊。 

 

差別

Laïcité(世俗主義)からRacisme(人種差別)、Discrimination(差別)に広がった今日の談論。「宗教問題やこうした差別問題を無くすためには、人々が個々に意識を変えることが大切。色んな宗教や文化的背景が混ざり合うからこそ得るものもある。」とは、先生の意見。こんな人が一人でも増えたら、人々の意識が変われば世界はきっと変われると思う。

 

差別は受けたことがない、差別はその人の受け取り方次第なんて考える人もいるけど、それは現実に蓋をしているだけ。差別は世界中どこにでも在ります。人間にもともと備わっている防衛反応が違うものを疎外しようとするのは自然な働き。ただ、それを差別に結び付けてはいけないということ。

 

差別は、深い歴史があるのでひとくくりにはできないけど、根底には優越感、キャパの狭さ、嫉妬、恐れ.....などネガティブな要因が重なっているもの。フランスに住んだ当初、差別を感じ、なめんなよ!と思ったこともありました。でもそこにいちいち焦点を当てていては、生きていけません。

 

差別する人もいれば、そうでない人もいる。アトリエの先生みたいな人もたくさんいるんだと感じてから、光に目を向けた方がずっと生きやすいと思ったのです。大切なことは、自分が差別する側に回らないこと。

 

フランスに住んでよかったと思うことは、色んな人種と出会え、彼らの考えや文化を垣間見ることができたこと。そして、日本に居たら分からなかったであろう「当たり前」がどれほど幸せか感じられたこと。

 

来世はどこに生まれるか分かりません。違う国、違う人種、違う性かもしれません。感謝の心を忘れずに生きたいものです。

 

広告を非表示にする